ご質問ありがとうございます。
生豆の保存期間について、一般的には「保存状態が良ければ1~2年は保ちます」といった説明がされることが多いです。
これについて科学的根拠があるかを簡単に探してみましたが、どうも実験的に示した例は乏しいようです。なので保存可能期間について明示することは難しいです。
生豆の劣化要因については以下のようなものが挙げられます。
①微生物
②(主に脂質の)酸化
③水分含有量の変化
①については通常生豆は水分含有量12%以下まで乾燥されているため微生物汚染のリスクは極めて低いです。しかしながらこれを越えるとカビの生育及び毒性成分が産生されるリスクが高まります。
日本のような多湿な環境であっても常温空気との接触でそこまで吸湿されることは考えづらいですが、急な温度変化や水分の当たる環境下での保存はNGです。
②については、生豆に含まれる脂質が酸化することで、アルデヒドと呼ばれる種類の化合物が生成されるため、これが枯草のような香りを呈する要因となります。
脂質の酸化は空気中に含まれる酸素との接触以外にも生豆内に含まれる脂質分解酵素(リパーゼ)の作用によっても引き起こされるそうですが、いずれも化学反応が起こりやすいのは20℃~の高温の環境になると考えられるので、低温条件での保存が望ましいです。ただし、冷凍をすると生豆に含まれる水分が膨張するため生豆の組織へ何らかのダメージが加わる可能性が考えられます。したがって、~15℃くらいの涼しい場所、冷蔵庫などでの保管が最良と言えるかもしれません。
また、空気中の酸素との接触を防ぐ目的であれば真空パックでの保存も良いと思います。
③水分含有量の変化は、増加方向の場合、①の微生物の生育や②の脂質参加への影響が懸念されますが、一方で低下方向、要は乾燥してしまっても焙煎される際に影響があることが知られます。
水分が少なくなることで、豆のふくらみ具合や色づき具合が変化し、また割れ豆の発生する原因にもなるため、新鮮な豆と比較して上手に焙煎をするのが少し難しくなるかもしれません。
乾燥が進むと生豆の表面が緑がかった色合いから黄褐色に変化してくるので外観的にも鮮度がわかるかもしれません。
よくネット上などで見聞きする「1~2年は保ちます」というのは、これらの要因を完全に防ぎ、例えば小分けにして、アルミ蒸着の袋で真空包装し、冷蔵庫で保管などの条件で保存する場合になります。
さらに厳密には日本に輸入される前に船積み、港の倉庫預かりの時にも条件によっては劣化が進みますのでその分も加味して保存可能期間などを考える必要があると思います。
私の経験的なものになるので、恐縮ですが、麻袋での保存、冷暗所に保管(通年冷房にし、気温が18℃ほど)といった条件で、だいたい1年ほどたった豆でも上記②の脂質酸化による草っぽいにおいを感じることがありますので、安全を見て厳しく管理するなら半年~1年以内に焙煎するのがベストと思います。
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投稿を表示手鍋焙煎を始めて4年になりますが
生豆は半年位が賞味期限ですかね~
購入時1番個性的でおいしく
風味が徐々に消えていきます。
生豆本舗さんなら100グラムから買え
800gまでなら送料安いのでお勧めです。
古い豆は残念ですが処分です。
優雅なコーヒーライフを…