UCCラボ

調査依頼

2025/04/07 01:54

回答募集 コーヒーに含まれる油脂成分について

フレンチプレスを好んで、毎日使用していますが、
コーヒーオイルのジテルペン群は体に悪い影響を及ぼすから、取り除ける紙ドリップをオススメすると医学博士の方のお話の中に記載がありました。

このことを検索中に、
コーヒーの脂質の多くをトリグリセリド。一般に「中性脂肪」である植物の脂質成分との記載も見かけ…

どのくらい体に悪影響を及ぼすのか、また毎日フレンチプレスで3杯飲み続けても良いのか。逆にオイル(脂質)を食事以外から無駄に摂る過ぎるのでは?と心配になりました。

uccの方では、ジテルペン群などコーヒーオイルについて
体に及ぼす影響は、どの様な見解でしょうか?

1 件の回答 (新着順)
UCC_R&Dはんざわ
2025/04/07 14:28

ご質問ありがとうございます。

少し長文での回答になります。

1)コーヒーオイル、ジテルペンについて
コーヒーオイルはコーヒーに含まれている脂質類の総称となります。脂質は豆に対しての重量比で10~17%ほど含まれます。

その中には一般的な中性脂肪のトリグリセリド、脂肪酸類の他にコーヒーに特有のジテルペンと呼ばれる脂質が含まれます。ジテルペンの代表例として”カフェストール””カウェオール”という物質が挙げられます。

>「コーヒーオイルは豆のうちの10数パーセント。脂質の中にはジテルペンやトリグリセリドが含まれる」と覚えておいてください。

2)コーヒーオイルの身体への影響について
フレンチプレスで約150mlのコーヒーを抽出した場合、トータルの脂質の量は1杯当たり0.3~0.5gくらいの摂取量と計算できます。3杯飲んでも0.9~1.5gとこれは食事から摂取する1日の脂質量に対して決して多くない(だいたい2~3%程度)ですので、フレンチプレスで飲用しても血中中性脂肪の急上昇や脂質の取り過ぎによる身体への影響は大きくないと思います。

しかしながら気にするべきはは”量”よりも”質”で、上述のジテルペンは比較的少量の摂取であっても血中のコレステロール量の上昇を引き起こすとされています。
THE CHOLESTEROL-RAISING FACTOR FROM COFFEE BEANS(Urgert and katan.,1997)という文献ではジテルペンの摂取によるコレステロールの上昇をレビューしてていますが、フレンチプレスコーヒーでは1日0.9L(5~6杯。TOTALジテルペン約28㎎)を~24週間飲んだ時で、0.52mmol/Lの血中コレステロール量の増加が確認されるとのことでした。

3)ジテルペンのその他の影響
ジテルペンが絶対に体に悪いかというと、決して一概にそうではないことが最近の研究で分かってきています。”抗炎症””抗酸化””抗ガン””がん転移抑制”などの効果を持つ可能性もあるとされ、日々様々な研究がおこなわれています。

健康に対して拮抗的な作用を持つ成分ですので、1日の摂取可能量はどのくらいか、どのような飲み方が良いか、などの回答はまだ出きっていません。

一方で、コレステロール上昇を見る研究では毎日3~5杯以上の(フレンチプレスやトルコ式)コーヒーを飲んだ時にコレステロール上昇が確認されているようでした。

ゆーしーさんの”1日3杯”という杯数が決して多いわけではないと思いますが、可能であればそのうちの1~2杯は念のため飲み方を変える、健康診断でコレステロール値の上昇が気になるようであれば淹れ方を変更する、など自分の体調を見ながらコントロールしていくのが良いかもしれません。