ご質問ありがとうございます。
また、長年UCC製品をご愛飲いただいているということで深く御礼申し上げます。
陰干しコーヒーとは?>
コメントにもございますとおり、主にナチュラル、非水洗式と呼ばれる製法のコーヒー豆のうち、コーヒーの実をを乾燥させる際、日陰に広げてじっくりと乾燥させたものが陰干しコーヒーとなるそうです。通常日光に当てるところ日陰で乾燥させる分時間がかかってしまうものの、その分豆表面の発酵がゆっくりと進むことで、マイルドな味わいになるのが陰干しの特徴とのこと。
陰干しコーヒーの取り扱い>
陰干しコーヒーですが、残念ながら現在UCCでは取り扱いがございません。
過去をさかのぼると2010年代の中頃までは対面豆売りの業態でお取り扱いがございましたが、その後はラインナップから失われているようです。
他社でも取り扱われているところはあるようですが、やはり同時期以降お取り扱いをやめている会社様がほとんどでした。
おそらくは上記のように、生産に時間がかかってしまうため、農家様のご負担になることからだんだんと生産量が落ちたのかもしれません。
それに加え、同時期ごろから、生豆の精洗(※)方法として、ハニーウォッシュドやファーメンテーション(発酵)など様々な方法が試みられるようになり、それによる風味が消費者にも受け入れられ、高付加価値のものとして扱われるようになったため、やはり手間と時間のかかる陰干しをする生産者様が減り日本で取り扱われる豆の量も少なくなったものと考えられます。
(※)精洗…コーヒーチェリーから中の種子を取り出し、コーヒー生豆を作り出す工程。
天日干しによって乾燥した果肉をはがすナチュラル/非水洗式、水によって果肉を
洗い流すウォッシュド/水洗式が代表例。
再販について>
上記の通り、原料生産時の工程となるため、陰干しの原料自体を入手しづらい状況では、残念ながらなかなか再販売の目途は立てられないのが現状です。
陰干しコーヒーと似ているコーヒー>
過去のデータをさかのぼって、該当する陰干しコーヒーと思われるものを見つけました。
(2003年頃の製品、その前後でリニューアル等もあり、焙煎方法なども微妙に変わっているためもしかすると全く同じものではないかもしれません。ご了承ください)
詳細なデータは公開できませんが、それによると当時のコーヒーの設計はシティーローストくらいの焙煎度、その他の製品ラインナップと比べやや苦めの味わい、特に水洗式のものとは明確に区別され、非水洗式のブラジル、エチオピアのコーヒーと近い味わいのようでした。
香りの成分も非水洗式の他のコーヒーと比較的類似していましたので(丁寧に作られている分の違いはありますが)、おそらく味の品質もそういった製品が近く感じると思います。
現状手元にあるデータを参考にしたときにもしかすると近いかも、、と思われたのはこちらの「珈琲探求ブラジルぺレーダ農園」の豆製品です。
https://www.ucc.co.jp/tankyu/brazil/
これは天日干しによるコーヒーなので、肝心の陰干しによる風味はもしかすると感じられないかもしれませんが、丁寧に作られた非水洗式のコーヒーということで似た風味を持っていると思います。
ただ、もしかすると上記の通り、飲まれた時期や、今感じる印象によっては少し焙煎度合いによる風味の違いなど感じるかもしれません。引き続き他にも今のUCC製品の中で近いものはどれか、陰干しコーヒーに近い風味を生み出すための焙煎や抽出の方法は、、など調査を続けますので、また何かご質問などございましたらお寄せいただけると幸いです。