UCCラボ

調査依頼

2025/03/20 13:13

解決済み 味わい

硬水と軟水では、コーヒーの味わいにどういう違いがでますか?
それぞれどのような影響がでて、どんな味わいになりますか?
なぜ軟水だと酸味をでやすくなり、硬水だとなぜ苦味が出やすくなるのですか?

ベストアンサー

UCC_R&Dはんざわ
2025/03/20 14:44

こんにちは。

コーヒー中に含まれる有機酸類などの成分は、液中でプロトンを放出します。
ヒトの舌の味を感じる細胞が、このプロトンに触れると「酸味」という味が認識されます。

硬水は、カルシウムやマグネシウムのイオンを多く含む水になります。こういったイオンは、有機酸からプロトンが放出されるのを抑えます。

その結果、硬水で抽出した際は軟水の場合と比べて酸味が感じられなくなります。

他にもカルシウム、マグネシウムのイオンが含まれることで厚みが増すように感じられます。

そのため一般的に
軟水で抽出したコーヒーはスッキリとクリアで酸味が感じやすい味わい。
硬水で抽出したコーヒーは厚みがあり、酸味が抑えられ、豆によってはその分苦味がしっかりと感じやすい味わい。

になるとされています。


パオ
2025/03/21 13:33

詳しいご説明、ありがとうございます!

ということは、水の違いによって、
・コーヒー自体から抽出される成分自体には、大きな違いは出ない
・水の成分によって、人の味の感じ方に影響が出る
という感じですかね?

極端な話、
軟水で抽出後のコーヒーに、後からカルシウム・マグネシウムなどを添加すれば、
同濃度の硬水で入れたコーヒーと同じ味になる?

UCC_R&Dはんざわ
2025/03/21 14:12

追加ご質問ありがとうございます。

過去に実験をしたことがありますが、少なくとも主要な有機酸類に限って言えば
軟水-硬水の差で抽出される量に変化はないようです。

その他の成分によっては、もしかすると微妙に抽出されやすい‐されにくいの差はあるかもしれませんね。

後からカルシウム・マグネシウム添加をすれば~ですが、これは厳密に言うと上記のような抽出の微差が生じる可能性もありますが、おそらく理屈の上では同等の味になると思います。

ただ、添加の仕方によって、○○カルシウム、○○マグネシウムといった塩の状態のものを添加する場合は、○○の部分によってまた味が変わる可能性があるので、硬度の高い水で抽出したときと、また少し変わった味わいになるかもしれません。

espresso
2025/03/21 15:32

コーヒーに含まれる有機酸類が、液中でプロトンを放出。プロトンって何ですか?
人の舌の味を感じる細胞が、プロトンに触れることで、酸味が認識される。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが、有機酸からプロトンが放出されるのを防ぐため、酸味がかんじられなくなるのですね。
すごく、理解したいのですが、プロトンって聞いたことなくて😢

パオ
2025/03/21 18:28

プロトンとは、水素イオン(H +)のことですよ〜。

酸とは、溶けて水素イオンを生じる物質のことで、
硬水の成分は、この生じ具合に影響を与えて、味の変化を起こしている、と言うことだと思います。

UCC_R&Dはんざわ
2025/03/21 19:11

パオさん、補足ありがとうございます。

ご説明の通りで、

①酸が水に溶ける

②水素イオン(プロトン)が液体中に放出される

③水素イオンがあると、液体が酸性になる

④酸性の液体に舌が触れると、酸味を感じる

というのが酸味を感じるメカニズムです。
硬水でコーヒーを抽出した場合は、②が抑えられるので、酸味を感じづらくなる、ということになります。

1 件の回答 (新着順)
SORORI
2025/03/20 15:40

こんにちは。

今やコーヒーは世界中で愛飲されていますが、コーヒー文化の古い南米、欧州
がほぼ硬水であることを考えると、硬水で抽出された場合のほうが正統派と言うか、
〈元来のコーヒーの味〉である気もするのですが、どうなんでしょうね?
オーストラリアも硬水ですね、確か。アメリカ合衆国は混在しているようですね。

あと、たとえば「職人の珈琲」ドリップバッグを硬水で飲むと、UCCが想定
しているような苦み・酸味・コクのバランスシート通りにならない気もしますが。


UCC_R&Dはんざわ
2025/03/20 16:22

(こちらはSORORIさんから私に質問と思いましたので、回答しておきます)

非常に面白い考え方だと思います!

ただ元来の味はどうかと言うと、なかなか断言はできない気がします。

例えば原産地の中東の方まで行くと、軟水が多いと思うので、軟水が元来かも知れないし、喫茶文化が成熟したヨーロッパでは硬水の地域が多いので、それが元来の味という風にも言えるかも知れませんし。

一方、水の硬度とコーヒーの飲み方を並べて見ていくと、意外とその地域ごとの特色が出ている気がします

例えば硬水の地域が多いヨーロッパではエスプレッソやミルクを入れた飲み方が主流ですが、これは硬水で抽出することによりコーヒーの苦味が強調されるため、それに適した飲み方が発展したのかも知れません。

ブラジルも多くの砂糖を入れて飲むことが多いですね。

日本はブラックで飲む人が比較的多いですが、これは水質が軟水のところが多いので、コーヒーの苦味がそこまで目立たないため、ブラックのドリップコーヒーが主流なのかも。

また、最近ではコーヒーの品種や栽培方法などの違い、酸の質などを楽しむ飲み方も広まっており、そういった目的ではコーヒーの味をそのまま感じられる軟水寄りの水で抽出をしますね。

なので、水の硬度については何が本来の飲み方かというよりは、それぞれの水ごとの特徴がある、適した飲み方があるということがポイントな気がします。



UCCの製品も水の硬度によって味が変わるというのも事実です。
なので特に海外で展開している製品はその土地の飲み方や、文化に合った設計となっています(^^)